cucina italiana ACCI
コンセプト
イタリア料理。日本でも馴染みのある料理名がいくつも思い出されるかと思います。
食材そのものの味を活かしたシンプルなものも多く、家庭ごとにマンマたちの味があり引き継がれているイタリアの料理たち。
そして日本と同様に南北に長い土地をもつこの国にも様々な郷土料理があります。
他国の食文化が入り混じる州、唐辛子を多く用いる地域、山岳地帯の風土にあった料理など
歴史と共に変化を遂げながらもそこに根付いている料理たちはまだまだ未知なものも沢山です。
20の州からなるイタリアのそんな郷土料理たちを自家製をメインに、そして日本の旬の食材も取り入れながらお店で味わっていただけたらとの思いで、突き出しからドルチェまでシェフ1人でご用意させて頂きます。
〝ACCIで旅するイタリア〟
是非お楽しみください
※ある日の郷土パスタ。全て手打ちでご用意しています。
ビーゴリ: 三崎産鯖のコンフィ/ 飛騨の夏野菜/自家製リコッタ 他
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ACCIの原点
オーナーシェフ梶川が学んだのは、4つの州の6つのリストランテとパスティッチェリア
その中でも思い出の場所の1つに、ヴェネト州の〝リストランテ・ドラーダ〟があります。
夏のピエーヴェ・ダルパーゴ
岩肌には残雪も望めます。
【ヴェネト州
〝Ristorante Dolada〟】
最寄駅から徒歩で3時間の山の上。連なる山々、眼下に広がる湖といった眺望も素晴らしいリストランテがここにあります。
朝の釜焼きパン作りから始まりサルシッチャやチーズ、パスタを作り裏山でキノコを収穫。
旬の食材を使いそして手作りを大切にしながらも見た目もワクワクするような創作的な一皿を作り、また空間のしつらえに至るまで、そこで過ごした時間は今のACCIのベースとなる要素を沢山もらいました。
1からの手作りゆえに時間はかかりますが、 一つ一つの食材を大切に使い様々な料理へと変化していく過程は完成した時の喜びもひとしおです。
この店を選んで遠方からも様々な人がやって来て料理を味わい、そしてゆっくりと時間を過ごして又のシーズンに来てくださる。沢山のインスピレーションをこのドラーダからももらいました。
そして原点となっている場所がもう一つあります。ここでは在伊した7年のうち4年間という半分以上の時間を過ごしました。
【トスカーナ州
フィレンツェ・シエナ】
ビステッカをはじめ、モツ料理やジビエを使う事も多いトスカーナ料理
塩のはいっていない特徴的なパン、白インゲン豆の煮込み。ACCIでも様々なトスカーナ料理をご用意することも多いです。
素材の味が優しく伝わる料理たち。食材を余す事なく使う料理の1つには、パンや家で残った野菜を煮込んだ料理もあります。(下の写真)
シエナの『Taverna di San Giuseppe』で過ごした時間は、トスカーナ料理とトスカーナワインの美味しさを発見する日々でした。
↓ここのお店のリボリータは絶品です
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ACCIの料理たち
イタリアで出会ったのは食材や調理方法はもちろんの事、イタリア人たちの食べる事に対するハートも沢山感じた経験となりました。
そして当店ではそんな気持ちを大切に、自家製で様々のものをご用意しています。
パン
朝はパン作りから始まります
イタリアの粉で作るフォカッチャ
チーズ
牛乳とレモンで作るシンプルなリコッタチーズは前菜からお茶菓子まで、色々なシーンにも登場します。
ブロード
香味野菜やハーブ、鶏肉でとる出汁はお店の料理たちのベースにもなります。
時間をかけて滲み出た素材の味は、そのままスープにしたりリゾットや煮込みなどにも大活躍です。
パスタ
郷土パスタは全て手打ちでご用意しています。イタリアのマンマたちが日々作っているように、ACCIでもその日のご来客様分を作ります。
形も大きさも食べ方も様々なイタリアパスタ
1つずつカタチを成形するものから専用の道具で作るものまで。バラエティに富んだ郷土パスタは野菜やスパイスを入れた生地で作ったり、アレンジしてご用意する事もあります。
ハム
サルシッチャ、パンチェッタやサラミ、北部の塩漬けハムなども手作りしています。
豚・牛・鶏・鹿・仔羊などの様々な肉を用います。
突き出しでそのままシンプルにお出しする事もありますが、他の食材と一緒に調理し新しい料理へと変わったり。添加物や保存料ももちろん入れていませんが、肉の味も濃く様々な料理に良いアクセントとなっています。
プロシュートコットは手作りの冷燻機で香りづけします。
この冷燻機はヴェネトで使っていたものと同様の型で、オープン当初に設計図を書いてから作った手作りのもの。ハム以外には魚介やチーズも冷燻します。
その他
一本ずつ伸ばして作るグリッシーニなど、小さなものに至るまで1つずつ自家製でご用意しています。
翌日まで残ったパンは発酵させて再利用。数ヶ月にわたり追い足して作られるパン床には野菜を入れて(こちらは北イタリアにいた時に個人的に作っていたレシピです)
イタリアでも食べ物を余す事なく煮込んだりとカタチを変え、また別の新しい料理へと変化しながら人々の胃袋を楽しませている料理が沢山あります。
ドルチェやお茶菓子は季節の果実を使う氷菓や焼き菓子、シーズンの伝統菓子まで。お茶菓子はどれも一口サイズのものですが、こちらも一つずつ心を込めてお作りしています。
そしてまだまだご用意したいものが沢山あります。
↑ こちらはヴェネトのクリスマス菓子〝パンドーロ〟ですが、ロンバルディアのクリスマス菓子〝パネットーネ〟を作るブレーシアのケーキ屋、『Pasticceria Veneto』でも修行していました。
野菜 ・果物
2022年秋より近所に畑を借りて小さなスペースながら野菜作りをスタートしました。
初収穫は大和真菜、小松菜、カラシナ、ミニ大根など
時期によってACCI畑より収穫した野菜も僅かながらお料理たちに登場ですが、農作業は初心者中の初心者。まずは続ける事が目標です。
追記
2024年現在は諸事情により農作業はスタップ中、またいつか出来たらと思っています!
通常の野菜や果物は三浦半島先端の三浦まで直接仕入れに、又は日本各地の生産者さんとコンタクトをとったり、イタリア、ヨーロッパ各地から届くものを使用しています。
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◎移転前の二階堂で〝ACCIで旅するイタリア〟はスタートしました。
旧ACCIでは約1ヶ月半ごとに一つの州にスポットをあて、突き出しからお茶菓子までその州の料理をご用意
ACCIの料理たちはイタリアの食材だけではなく日本ならではの旬のものも取り入れ、四季の移り変わりと共に季節の郷土料理へと変わっていきます。
シンプルに素材の味を活かしながら、イタリア各地に伝わる郷土料理をご用意する当店のフルコース。
突き出しから最後のお茶菓子までご用意する工程はどれも時間が必要ですが、皆さまに喜んでいただける事が何よりの励みになり、又私たちにとっても刺激的なひと時となっています。
ACCIでの〝イタリア 食の旅〟
料理を通じてイタリアを少しでも身近に感じて頂き、そして旅をした気分になっていただけましたら幸いです。
ワイン他
ビールはイタリア産の2種をご用意。
ワインはイタリア産のみ、常時約80種を揃えております。
土着品種だけでも約2000種もあると言われる葡萄から作られるイタリアワイン。料理と同じくその土地、ワイナリーによって様々なテイストがあります。
自分たちの好みでその都度セレクトしているものが多いのですが、コース料理にあわせてご提案させていただくペアリングなどもご用意しているので、是非ご一緒にイタリア各地のワインをお楽しみ頂けましたら嬉しいです。
また様々な食後酒もご用意しております。
消化を促進してくれる言われる〝ディジェスティーボ〟
葡萄、レモン、薬草、その土地に自生する実から作ったものまで。こちらも是非お楽しみくださいませ。
ノンアルコールドリンクは、イタリア製の脱アルコールワインやベルギーのノンアルコールスパークリング。そして自家製の果実シロップのスカッシュなどをご用意。
アルコールを召し上がらない方もどうぞお楽しみください。
器
料理ごとにセレクトしているお皿は気に入ったものを少しずつ集めています。
特に作家の方に作って頂いた器は使用させて頂く度に嬉しい瞬間が訪れます。
◉〝木工藝神永〟 神永匡崇さんの木工皿やトレー (@masatakaminaga)
◉〝チェラミカ・スプーモ〟 ナカムラトモヨさんのマヨリカ焼き (@ceramica_spumo)
https://instagram.com/totototones.kanta_3?utm_medium=copy_link
◉〝テトツチト〟 ワタナベヨウコさんの陶器 (@tetotutito)
◉長田佳子さんの作品https://instagram.com/totototones.kanta_3?utm_medium=copy_link
カッコ内はInstagramのアカウント名
お料理とご一緒に是非器もご覧頂けたら嬉しいです。
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店舗
上: 明王院様の桜。四季折々の山の色合いも美しいです
下: 旧ACCIのタイル看板もエントランスに
緑に囲まれた現在の移転地、十二所
自然豊かで静かな場所がとても気に入っています。
十二所のACCIは五大明王がまつられている明王院様の門前近くにあり、また山も近く空気も心地良く感じる場所です。
県道からも入った住宅地の中なので決して目立つ立地ではありませんが、当店を目指してお越し頂ける方がいてくださる事はとても幸せに思います。
そしてゆっくりとお店での時間を過ごしていただける事が嬉しいです。
◎二階堂での6年半の月日◎
2013年にスタートした当店ですが、移転前は二階堂の平家で営んでいました。
こちらも緑に囲まれたとても静かな谷戸にあり、四季それぞれの自然と朝から鳥や虫たちの合唱と共に四季を過ごしました。
本当に沢山の方々との出会いと多くの学びがあり、今の私たちはここでの月日があったからこそ
忘れられない日々を過ごさせて頂きました。
レストラン以外にもテラス席で開催した料理教室や作品展示をしたりと、沢山の思い出があります。
春や夏は緑の匂いに囲まれ、鳥の合唱そして小動物達もやってきて、自然の中にお邪魔している感じでした。
改装
元は住宅用だった当店。小さな一軒家レストラン、十二所ACCIのリフォームを依頼させて頂いたのは、逗子の〝トライコーポレーション〟さん。店舗やビーチハウスから住宅の改装まで数々の工事を手掛けていらっしゃいます(@try_homerenovation)
今回の改装では具体的なデザインや理想をお伝えしたうえで、何度も意見を出し合いながらアドバイスを頂き進んでいきました。プロの方の技術とアイディアに幾度となく気持ちも高ぶり、出来上がっていくまでの工程も忘れられない経験となりました。
テラスの木材なども二階堂で使用していたものを再利用していただいたり、外構内装の細部に至るまで丁寧に作っていただけた事。
又、アイアンの看板を作っていただいた小宮製作所さんや旧店舗から庭木を移植していただいたmoelewaチームの皆様
皆さまのお力をいただきまた新たな気持ちでスタートをきることができた事に感謝致しております。
エントランスは左官仕立ての門柱にアンティーク扉を
2つの部屋からなる当店
キッチン側の部屋にはピクチャーウィンドウを
窓側からみるキッチン側壁面
一面に飾り棚を作っていただきました。
葉山のmoelewaチームによる植栽の移動
旧店舗のオープン時にもお世話になりました。
手切りガス切断(斬鉄)によるアイアン看板
長谷の〝ニュー鍛冶屋 小宮製作所〟にお願いしました(@newkajiya)
インテリア
内装部材も自分達で気に入ったものを一つずつ探し好きなものに囲まれた空間を目指しました。
歴史を感じる味わい深い色や質感の建具を求める中で出会った扉は、ヨーロッパや日本のアンティークのもの。床材は部屋毎にイタリア・スペインの磁器タイルを貼り、半年の改装期間はとても刺激的で、今の活力となっています。
イタリアで見つけたものや収集してきたもの、骨董市で見つけたものなどをオブジェとしたり植物を育てている店内
私達自身にとっても居心地のよい空間であり、今後も変化していくお店を目指して。
そしてお越しいただいた皆様にとりましても、このレストランが楽しい空間であり居心地よく感じていただけたら何よりだと思っております。
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お席は2つの空間にお1組様ずつ、ランチ・ディナー共にお2組様をご案内させて頂きます。
(2024年8月よりお1組様ご案内のプライベートレストランとなりました)
コロナ禍の中でもご来店いただける皆様には少しでもご安心頂けるよう、感染予防対策をできる限りしております。
是非リラックスしたうえでお料理を召し上がっていただけますと幸いです。
世界中のレストランが今後も幸せな場所となりますように!
最後はイタリアに伝わる諺を
〝Corpo satollo anima consolata〟
(体が満たされると心も満足)
私たちもお料理をお届けできる時を、そして皆さまにお会い出来る日を楽しみにしています。
長くなりましたが、ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。
『ACCIで旅するイタリア』
鎌倉・十二所の小さなリストランテで、イタリアをご一緒に旅いたしましょう🇮🇹
(2020年、トスカーナ州 フィレンツェ)